酔狂モンの泥酔日記。変態行為と妄想ばっか。あとたまに猫。
今朝、目覚めると誰もいない食卓の上に“彼”がいた。
そのあまりに完成された姿に、私は出勤時間が迫っているのも忘れてその場に立ち止まってしまう。それほど“彼”の姿は私を惹き付けた。
人気のない台所。
それが余計にその存在を引き立たせていたのかもしれない。誰もいないからこそ“彼”の姿が異色そのものだったのだ。
“唐揚げの上に祭り上げられたエビフライ”
それが彼である。
誰が、何のために、彼をそのような状態にしたのか疑問でならなかった。
何故普通に唐揚げと並べるだけでは駄目だったのだろうか、何故神輿に担がれるが如く唐揚げの上に乗せなければならなかったのだろうか。
私はまだ寝ぼけたままの頭を最大限に活用して不自然極まりないエビフライの状態を整理し、受け止めようとしていた。どのような状態であっても彼はエビフライなのだ。その事実に変わりはない。
だが悲しくもその時の私には時間がなかった。
時計は朝の8時5分前を指し、とっくに出勤していなければならない事実を突きつけている。
せめて彼をデジカメに写しておけば…!
出勤中、車を走らせる私はその事だけを悔いていた。恐らく自分が帰宅した時には彼の姿はないだろう。私より早く帰宅する両親に食されているか唐揚げの上から転落しその奇跡的な造形を崩壊させているに違いない。
もっと早くに彼と出会っていれば。
出勤時間ギリギリに目を覚ました自分を心の中で責め立てた。
だが、運命というものは不思議なものだ。
夜の8時を過ぎ、先に帰っていた両親が食事と入浴を済ませ布団に入った頃合に帰宅した自分は信じられない光景を再び目の当たりにした。
朝と寸分違わず、同じ状態でいる彼が私を出迎えたのだ。
まさか自分を待っていてくれたのか…!?
そう思わずにはいられなかった。万が一にもそんな事は有りはしないのに。
しかし朝の事を後悔していた自分は迷わずデジカメを手に取り無我夢中で彼の姿を写していた。
見て欲しい、この完成されたフォルムを。
何の変哲も無いおかずだがその存在感は圧倒的だ。平凡なようでいて非平凡。唐揚げとの絶妙な位置関係で正にピラミッドの頂点のように君臨している。居酒屋では大人気の唐揚げも彼の前では台座に過ぎなかったのだ。
そして彼との感動の再会に打ち震えながらも、私の心にはある一つの思いが去来していた。
誰か食えよ。
しかしその思いを声にする事はなく、私は黙って彼を箸に取りそのまま口に運んだのだった。
-Fin-
*****
懐かしい日記の書き方。
昔妹のサイトにパラサイトしてた時にこんな文面で日記みたいな事書いてました。長いからやめろって妹に怒られたけどね!(しかし殆ど聞き入れなかった姉)
いきなりワケの分からぬエビフライの話で申し訳ナスです。何か自分的に面白くてしょうがなかったので。なんでわざわざ唐揚げの上にエビを鎮座させてんだよ!って。
恐らくエビフライを祭り上げたのは母。我が家の七不思議的な存在です。
そのあまりに完成された姿に、私は出勤時間が迫っているのも忘れてその場に立ち止まってしまう。それほど“彼”の姿は私を惹き付けた。
人気のない台所。
それが余計にその存在を引き立たせていたのかもしれない。誰もいないからこそ“彼”の姿が異色そのものだったのだ。
“唐揚げの上に祭り上げられたエビフライ”
それが彼である。
誰が、何のために、彼をそのような状態にしたのか疑問でならなかった。
何故普通に唐揚げと並べるだけでは駄目だったのだろうか、何故神輿に担がれるが如く唐揚げの上に乗せなければならなかったのだろうか。
私はまだ寝ぼけたままの頭を最大限に活用して不自然極まりないエビフライの状態を整理し、受け止めようとしていた。どのような状態であっても彼はエビフライなのだ。その事実に変わりはない。
だが悲しくもその時の私には時間がなかった。
時計は朝の8時5分前を指し、とっくに出勤していなければならない事実を突きつけている。
せめて彼をデジカメに写しておけば…!
出勤中、車を走らせる私はその事だけを悔いていた。恐らく自分が帰宅した時には彼の姿はないだろう。私より早く帰宅する両親に食されているか唐揚げの上から転落しその奇跡的な造形を崩壊させているに違いない。
もっと早くに彼と出会っていれば。
出勤時間ギリギリに目を覚ました自分を心の中で責め立てた。
だが、運命というものは不思議なものだ。
夜の8時を過ぎ、先に帰っていた両親が食事と入浴を済ませ布団に入った頃合に帰宅した自分は信じられない光景を再び目の当たりにした。
朝と寸分違わず、同じ状態でいる彼が私を出迎えたのだ。
まさか自分を待っていてくれたのか…!?
そう思わずにはいられなかった。万が一にもそんな事は有りはしないのに。
しかし朝の事を後悔していた自分は迷わずデジカメを手に取り無我夢中で彼の姿を写していた。
見て欲しい、この完成されたフォルムを。
何の変哲も無いおかずだがその存在感は圧倒的だ。平凡なようでいて非平凡。唐揚げとの絶妙な位置関係で正にピラミッドの頂点のように君臨している。居酒屋では大人気の唐揚げも彼の前では台座に過ぎなかったのだ。
そして彼との感動の再会に打ち震えながらも、私の心にはある一つの思いが去来していた。
誰か食えよ。
しかしその思いを声にする事はなく、私は黙って彼を箸に取りそのまま口に運んだのだった。
-Fin-
*****
懐かしい日記の書き方。
昔妹のサイトにパラサイトしてた時にこんな文面で日記みたいな事書いてました。長いからやめろって妹に怒られたけどね!(しかし殆ど聞き入れなかった姉)
いきなりワケの分からぬエビフライの話で申し訳ナスです。何か自分的に面白くてしょうがなかったので。なんでわざわざ唐揚げの上にエビを鎮座させてんだよ!って。
恐らくエビフライを祭り上げたのは母。我が家の七不思議的な存在です。
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